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YUKINORI YANAGI
¥13,200
予約商品
日本人アーティスト、柳幸典の作品集。作者は大型作品や場所特有の文脈に根ざした(サイトスペシフィック)インスタレーションを用いながら、看板やシンボリックなイメージが持つシステムから作品を生み出し、制度的に存在する国境や境界がもたらす政治性を問いかけてきた。作家としてのスタート地点として在るコンセプト「ワンダリング・ポジション(さまよえる位置 / Wandering Position)」ないしは「永続的な位置としてさまよう(wandering as a permanent position)」という概念を探る作者は、ナショナリズム(国家主義)と場所の不変性を象徴する「旗」を出発点としている。停滞した状態のシンボリックなサインを、時間や状況によって変化するような有機的な形態へと解体させる表現を主要な作品として用いている。 キュレーター、日本戦後美術史家であり、アメリカで開催された歴代の草間彌生展を手がけ、本書の版元であるギャラリー「BLUM」において「もの派」のグループ展「REQUIEM FOR THE SUN: THE ART OF MONO-HA」のキュレーションを担当した吉竹美香が本書の編集を行う。この一冊は、作者に関して初めて包括的にまとめられた英語版作品集であり、35年にわたるキャリアの中から8つの作品シリーズを紹介する。日本語テキストを新たに英訳したものやインタビューに加え、大判の図版を掲載し、キュレーターであり研究者のジェーン・ファーヴァー(Jane Farver)、美術史家でありキュレーターの富井玲子、研究者であり美術史家のバート・ウィンザー=タマキ(Bert Winther-Tamaki)、そして吉竹美香による書き下ろしの寄稿を収録する。本書は、日本語が読めずとも英語を読むことができる読者にとって初めて作者の政治的かつ社会的な実践に触れる場を提供する一冊である。 Artist Yukinori Yanagi (b. 1959, Fukuoka, Japan) focuses on large-scale and site-specific installations that interrogate the politics of institutional borders and boundaries often drawing from systems of signs and symbolic imagery. Investigating the notion of “wandering as a permanent position,” Yanagi uses flags as symbols of nationalism and stability of place as a point of departure. Major works pursue the dissolution of symbolic signs of stasis into organic forms that change with time and circumstance. Edited by postwar specialist Mika Yoshitake, this publication is the first comprehensive English-language monograph on Yanagi. Presenting eight series of works from throughout the artist’s 35-year career, this project shares newly translated Japanese texts and artist interviews alongside large-scale reproductions and original contributions by scholars Jane Farver, Reiko Tomii, Bert Winther-Tamaki, and Yoshitake. This retrospective of Yanagi’s work provides a platform for English readers to engage with his politically and socially engaged practice for the first time.
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Yukinori Yanagi. ICARUS
¥11,000
予約商品
日本人アーティスト、柳幸典の作品集。2025年3月から7月にかけてミラノの美術館「ピレリ・ハンガービコッカ(Pirelli HangarBicocca)」で開催した展覧会に伴い刊行された。 1959年に福岡で生まれ、現在は日本の桃島を拠点に活動する作者は、現代日本を代表する最も影響力のあるアーティストの一人である。主権、グローバリゼーション、境界といった複雑なテーマを探求することで知られ、大規模なサイトスペシフィックなインスタレーションを通じてそれらを考察する。また、空間とアイデンティティの理解を形作る複雑な象徴的イメージの体系を喚起することで、日本の歴史、特にナショナリズムにも深く踏み込んでいる。 本書は、作者のキャリアに繰り返し現れるテーマを探求し、長年にわたる実践への影響とその発展を考察する。さらに本書は、国際的な研究者や批評家による論考を収録する。キュレーターである片岡真美による深みのある文章は作品を世界的な美術史の文脈に位置づけ、美術史家である富井玲子による現代史的記憶が作品に与えた影響に関する考察、さらに作者と展覧会キュレーター陣による本展覧会をめぐる対談を収録。展示作品全点の写真による詳細な記録に加え、展示作品ごとの学者による解説は、歴史的なアーカイブ写真の選集によってさらに充実した内容となっている。 A monograph dedicated to the Japanese artist Yukinori Yanagi, on the occasion of his first major anthological exhibition in Europe Yukinori Yanagi (Fukuoka, 1959; lives and works in Momoshima, Japan) is one of the most influential contemporary Japanese artists. He is known for exploring complex themes related to sovereignty, globalization, and borders, which he investigates through large site-specific installations. His work also delves into Japanese history, particularly nationalism, by evoking the intricate systems of symbolic imagery that shape the understanding of space and identity. Accompanying the exhibition at Pirelli HangarBicocca is a monograph that explores the recurring themes in Yanagi’s career, examining the influences and developments of his practice over the years. The volume includes essays by international scholars and critics, including an in-depth text by curator Mami Kataoka, which contextualizes Yanagi’s work in the global art landscape, and a contribution by art historian Reiko Tomii focusing on the influence of contemporary historical memory, particularly Japan, in the artist’s work, as well as a conversation between Yanagi and the exhibition curators around the exhibition project. Along with extensive documentation photographic of all the works installed in the exhibition, the volume collects the detailed sheets dedicated to the works on display, written by scholars and enriched by a selection of historical and archive images.
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連続対話+企画展示「百代の過客」
¥3,300
2019年10月5日〜12月15日に尾道市・百島で開催した連続対話+企画展示「百代の過客」の全3回の対話内容をおよび企画展示風景を収録。 都市部から離れた離島で開催した本展が「あいちトリエンナーレ2019」の問題を経て炎上し、電話やSNSによる批判、地域への対応に追われた一部始終まで記録しています。 そして新型コロナウイルスの影響により中止された「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」の回顧録も編纂し、近年の地域振興としての芸術祭と表現の自由についての考察をまとめています。 〈概要〉 編・発行:NPO法人ART BASE百島 デザイン:大溝裕(Glanz) サイズ:14.8 × 21.0 × 1.5cm(A5版) 頁数:180頁 仕様:並製本 発行予定:2021年4月1日 発行部数:初版1000部 ISBNコード:978-4-600-00686-0 〈対話〉 第一回「憲法と芸術」 志田陽子(憲法学者)、島本脩二(編集者)、Shing02(MC/プロデューサー)、柳幸典(現代美術家) 第二回「芸術とプロパガンダ」 河本真理(美術史学者)、辻田真佐憲(近現代史研究者)、毛利嘉孝(社会学者) 第三回「表現の不自由を越えて」 大浦信行(美術家、映画監督)、北原恵(美術史学者)、小泉明郎(美術家、映画監督) 〈展示作家〉 池内美絵、榎忠、大浦信行、小泉明郎、柳幸典 Matrix: 八島良子 〈執筆〉 柳幸典(アートベース百島ディレクター、現代美術家) 「永遠に旅を続ける百代の過客として」 小野環(アーティスト、尾道市立大学准教授) 「ひろしまトリエンナーレとはなんだったのか」 〈収録〉 企画展示風景 百代の過客タイムライン ひろしまトリエンナーレ回顧録
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Hiroshima Art Project 2009「いざ、船内探険! 吉宝丸」展
¥2,200
広島アートプロジェクトが2009年に開催した「いざ、船内探険! 吉宝丸(きっぽうまる)」展の展覧会カタログ。 〈参加作家〉 平野薫、岩崎貴宏、金氏徹平、水川千春、佐野研二郎、田中偉一郎、谷山恭子、吉村芳生、ほか35組 〈概要〉 書名:広島アートプロジェクト2009 「いざ、船内探険! 吉宝丸(きっぽうまる)」展 監修:柳幸典、岩崎貴宏 編集・デザイン:齋藤彩佳 発行:広島アートプロジェクト実行委員会 サイズ:B5 ページ数:296ページ 発行日:2010年3月31日 〈主な内容〉 広島市長・秋葉忠利のメッセージ ディレクターズ・メッセージ 柳幸典「神々が宴する宝船」 村田真(美術ジャーナリスト) 「『ヒロシマスペシフィック』な作品たち」 岩崎貴宏(企画リーダー、アーティスト) 「いざ、船内探険!吉宝丸」 チャールズ・ウォーゼン(アーティスト) 「X Marks the Spot」(英語) 加治屋健司(美術史家) 「日本のアートプロジェクト その歴史と近年の展開」 シンポジウム記録(会期中に開催したシンポジウム「持続可能なアートを育てる」の記録) 竹澤雄三(広島アートプロジェクト実行委員会理事長、美術評論家) 「おわりに ー世界に発信したい広島市民の『ヒロシマのこころ』」 (広島アートプロジェクト実行委員会理事長、美術評論家)
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Hiroshima Art Project 2008 汽水域
¥3,300
2008年にベルリンと広島で開催した企画展(旧中2、CAMPベルリン-ヒロシマ)を収録。 「旧中2」は右開き・縦書き、「CAMPベルリンーヒロシマ」は左開き・横書きで始まる製本。 主な参加作家: トーマス・アデバー、アンドレア・ツィマーマン+エンプファングスハレ(コルビニアン・ベーム+ミヒャエル・グルーバー)、淺井祐介、古堅太郎、ヘニヒ奈於美、開発好明、ダミール・ラドヴィック、マティアス・ヴェルムケ+ミーシャ・ラインカウフ、柳幸典企画室、ユ・ミヨン 〈概要〉 書名:広島アートプロジェクト2008 汽水域 監修:柳幸典 編集:加治屋健司、今井みはる、鹿田義彦 デザイン:深山大智、齋藤彩佳 発行:広島アートプロジェクト実行委員会 サイズ:B5 ページ数:276ページ 発行日:2009年7月31日 〈主な内容〉 柳幸典(広島アートプロジェクトディレクター) 「ディレクターズ・メッセージ ー二つの流れが交錯する場」 加治屋健司(広島市立大学芸術学部准教授/美術史家) 「アートプロジェクトと日本 ーアートのアーキテクチャを考える」 岡本芳枝(広島市文化財団学芸員) 「ホワイトキューブからの脱却 ーアートプロジェクトの試みを考える」
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Hiroshima Art Project 2007 旧中工場アートプロジェクト
¥3,300
2007年に広島で柳幸典が総合ディレクターとして指揮を取った「旧中工場アートプロジェクト」の完全ドキュメンテーションカタログ。 展覧会会場そのものがひとつの小宇宙を思わせる「ゴミがアートになる!超高品質なホコリ」展、広島で初の地域展開の展覧会となった「わたしの庭とみんなの庭」展、柳幸典自身がキュレーションして旧日本銀行広島支店を会場とした「戦争」「貨幣システム」その独占機関としての「国家」に対する問題に鋭く切り込んだ「金庫室のゲルトシャイサー」の3つの展覧会内容を収録。 〈論文〉 柳幸典(総合ディレクター・美術家) 「芸術が生存するための倫理的可能性について」 「国際平和文化都市」「ヒロシマのためのアートセンター構想」 椹木野衣(美術評論家・多摩美術大学准教授) 「イメージとのその幽閉、核力的あらわれ、おもいあたると庭」 「旧中工場アートプロジェクトをめぐって」 加治屋健司(美術史家・広島市立大学芸術学部准教授) 「笛吹き男としてのアーティスト 貨幣、アンフォルム、創造都市」 〈展覧会各論〉 天野一夫(美術評論家・京都造形芸術大学芸術学部教授) 「ーミニアチュールとしての私ー」(「ゴミがアートになる!超高品質なホコリ」展) 岡本芳枝(広島市文化財団学芸員) 「ー広島で初の試みとなった地域展開の展覧会ー」(「わたしの庭とみんなの庭」展) 出原均(兵庫県立美術館学芸員) 「ー関係性の集合としての展覧会ー」(「金庫室のゲルトシャイサー」展) 〈各展覧会図版〉 約130ページからなるカラー図版。約70組の全作家解説を掲載。 出原均、岡本芳枝、山野真悟(ミュージアム・シティ・プロジェクト運営委員長)、森司(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)、新川貴詩(美術ジャーナリスト)、深瀬鋭一郎(深瀬記念視覚芸術保存基金代表)など、キュレーターや評論家を始めとする豪華な執筆陣。 《サイズ》B4(257×182×20 mm)、DVD付 278ページ
